今回のフレームは、2010年製作のものより細いパイプを使い、また使うパイプを減らすことにより、軽量化することを目的にしました。



設計は、2010年に製作したフレーム(10B)の寸法を参考にし、比較的誰でも乗れるようにしました。また、後輪の周りや、前輪周りは個別に設計図を作り、出来るだけ製作時に簡単にできるようにしました。しかし設計に時間を割きすぎて、製作が大幅に遅れてしまい、2011年11月から始めた設計は2012年1月にようやく終わりました。
←製作中の上はしご ←フレームの高さを揃える治具

設計がようやく終わり、パイプを切り出して製作に入りました。今回のフレームは上下のはしごを先に製作してから、それを丸パイプで繋げるという作りかたをしたので、上下のはしごを連結する際に高さを揃えるための治具を、角材とランバーコアを使い製作しました。

←治具で仮止め中←仮溶接が終わったフレーム

仮溶接した時点で、フレームは2010年のものと比べて、約7キログラムの軽量化になりました。

←転がして剛性確認

その後、ドライバーを乗せてみて転がして剛性を確認し、改めて本溶接を行い、塗装を行いました。こうして1台目(12A)のフレームが完成しました。

←2台目のマシン(12B)の前輪周りの作り

1台目の製作に平行して、2台目のマシン(12B)のフレームの製作も行いました。
12Bのフレームは、12Aのものよりも前輪支持部分の強度を上げるため、斜め切りしたパイプを組合わせて枠を2つ作り、それを繋いだ部分のパイプに前輪を取り付けるという作りにしました。それ以外の作りは12Aと基本的に同じです。


メカ

前輪ハンドル機構

新車の前輪周りは、2010年のマシンと同じようにアッカーマン式にしました。前年度、剛性不足で前輪周りのフレームが歪み、使い物にならなくなったことの反省を生かし、フレームは軽量化しつつも、前輪周りは剛性を十分保てるように製作しました。

←穴を開けたフレームのパイプ←軸受け

前輪の軸受けは、アルミの無垢材の側面にタイヤのシャフトが通る穴を開け、上下に固定するためのタップをたてました。ロッドエンドは雌ねじを使用し、あらかじめフレームのパイプには固定用の穴を開け、カラーを通して補強しました。

←12Aのリンク機構  ←12Bのリンク機構

前輪支持部のロッドエンドにはM10、タイロッドを繋ぐロッドエンドにはM8を使用して、以前のものよりも太いねじを使用し、剛性をあげました。前輪は14インチと小径なので、ドライバーの足にタイロッドが当たらないよう、取り回しには苦慮しました。

←カーボンパイプを使ったハンドル

ハンドルは、カーボンパイプを角パイプに固定し、軽量化を図りました。また、タイロッドにはナットを溶接したり、フライスでスパナが入るように削って、アライメント調整がしやすくしました。


中間軸
中間軸は、いままで410型のチェーンのみを使用していましたが、ギア比の関係により、25型のチェーンのスプロケットと410型のチェーンのスプロケットを組み合わせた作りにしました。

←12Aの中間軸

12Aのマシンの中間軸は、平たいスプロケット2枚を組み合わせ、固定する作りにしましたが、スプロケット2枚を平行に固定することが困難であることと、2枚のスプロケットの間隔が狭すぎたためチェーンが擦るなどの問題があることが分かりました。

12Bの中間軸は、平たいスプロケットと、ボスのついたものを組み合わせて、ねじで固定する機構にしたことと、スプロケットの間隔を広げたことで12Aでの問題を解決し、より安定した作りになりました。

エンジン

←使用したクランクケース←削って軽量化

新車のエンジンは、いままで収納台車の中で使われていなかったクランクケースを活用しました。ヘッドは、

12Aはシングルプラグ、12Bはツインプラグとしました。ヘッドやシリンダーのフィンの部分は削り落として軽量化しました。

←オイル供給パイプの固定

また、オイル供給はいままでシリンダーから給油していましたが、今回はベテランの方からのアドバイスをいただいて、クランクシャフトから給油してオイルがプラグに被りにくいようにしました。

ボディー

今年は樹脂製のフルカウルボディの製作を行いました。

←大会での様子

雄型の製作はカヌー製作のノウハウがあるということで、プランキングというあらかじめボディの形に切っておいた板に細い板を貼り付ける方法で行いました。
しかしすきまができてしまった上に左右で形が対称にならなかったためパテ埋めなどに時間がかかってしまいました。

←プランキングの様子←完成した雄型

完成した雄型から雌型の製作をしました。
雌型は5個に分けて製作しましたが雄型から外す時にばらばらに外してしまったため、後から合せた時にずれがでてしまいました。
このずれは大会までに時間がなかったので直すことができず、そのままの状態でボディを作ることになりました。

←完成した雌型

雌型から製作したボディは穴やへこみをパテで埋めてからフレームとの連結や窓の取り付けなどを行いました。


←ボディーとの連結
←窓開け

このボディは惰力走行などの転がりテストを行っていないため、どれくらい空気抵抗が良くなったかなどのデータを取ることはできませんでした。
また大会まで時間がなかったためへこみや穴がある状態で大会に行くこととなってしまいました。
また、雌型に大きなずれが出てしまっていたり、左右非対称であるなど多くの問題があるため、来年は新しく製作しなおすこととなりました。

←12B
             ↑12A

今年新規製作したマシンの1台目(12A)は、もてぎ大会で753km/Lを記録し、チーム記録を更新しました。全国大会では、511km/Lでした。2台目(12B)は、全国大会の決勝で648km/Lを記録し、全国大会でのチーム記録を更新しました。

学校法人芝学園 芝中学校・高等学校 技術工作部
    自動車班 2012年 エコラン製作記

新規マシンの製作

現存マシンの改良

09B
2009年に製作したマシン(09B)は、去年のシングルプラグからツインプラグへと変更しました。
しかし、もてぎ大会ではエンジンの調整がうまくゆかず、リタイアとなってしまい、エンジンの整備を中学生だけでもできるようにするため、全国大会にはシングルに戻しました。

←作り直したリアカウル

カウルは古くなって強度が落ちていたのでリア部分のみプラダンで作り直しました。
全国大会にはエンジンも万全の状態で臨むことができ、決勝では546km/Lと過去最高の成績を残しました。

10B

2010年に製作したマシン(10B)は,今年新規製作したボディーに載せ替えました。
←作り直した前輪周り

去年転がりが悪かったので改良の必要のあった前輪は、ハブごとべつのものに付け替え、転がりを良くしました。またハンドル機構も変更し、今までのものよりも操作しやすくしました。エンジンは、ローラー台を導入し、データやセッティングを解析し、性能を引き出せるように調整しました。

←新ボディになった10B

もてぎ大会では610km/Lの記録を残し、中学生クラス3位に入りました。全国大会では練習走行で827km/Lを記録しましたが、決勝ではエンジン調整がうまくゆかず、記録は598km/Lに留まりました。

自動車班では、去年は新車の製作は行いませんでしたが、今年は、前輪は14インチ、後輪は20インチで、空力と転がりを意識したマシンを新規製作することにしました。

フレーム

2012年度の活動を終えて

2012年度は、2011年度に作れなかった新規マシンを製作出来ました。ボディーも、フレームも、エンジンも新規製作出来、そのマシンで結果を残せたことは今後を考えて一定の成果を上げることができたと思います。
しかしながら、新規マシンの製作ばかりに気を取られてしまい、エンジンのセッティングや、マシンの細かい整備には手が回らなかったです。エンジントラブルでリタイアすることはなかったものの、エンジンの性能を最大限引き出すことはまだ出来ていませんでした。今年からローラー台を導入しましたが、それをしっかり使いこなせていないと感じました。来年に向けて、ローラー台をさらに活用し、マシンの完成度を高めてゆき、さらなる燃費アップを目指したいと思います。